福島 フクシマ FUKUSHIMA

津波被害と原発震災に立ち向かう人々とともに

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「生涯100ミリ」基準を追及  対政府交渉

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 8月25日、参院議員会館(東京都千代田区)で、放射能汚染問題をめぐる対政府交渉が行われた。主催は、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)など6団体(※)。
 7月19日に福島市内で開催された交渉に続いて、今回で3回目。前回は、「避難の権利」を求めて、政府・原子力災害現地対策本部を相手にした交渉。今回は、前半で、食品安全委員会がすすめる食品の暫定規制値の改定をめぐる問題、後半では、特定避難勧奨地点の指定をめぐる問題などを中心に交渉が行われた。
 前半の交渉相手は、厚生労働省および食品安全委員会、後半は、政府・原子力災害対策本部、原子力安全委員会、文部科学省。
 交渉は、10時に始まり、13時過ぎまで行われ、約120人が参加した。
 以下、交渉で、明らかになった問題点を整理して報告する。




■「生涯100ミリ」は重大な基準変更


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(重大な基準変更を、事も無げに答弁する食品安全委員会の官僚)

 前半は、厚生労働省と食品安全委員会を相手に、食品の放射能汚染にたいする規制値改定をめぐる交渉。
 食品の放射能汚染にたいする現行の暫定規制値は、年間で最大17ミリシーベルトの被ばくを許容するもの。きわめて高い数値で、その見直しが求められている。
 7月26日、食品安全委員会は、「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」を策定し、その見直しの方向を示した。
 ところで、この「評価(案)」では、自然放射線や医療被ばく以外の被ばくについて、外部被ばくと内部被ばくを合わせて、「生涯で100ミリシーベルト」という新たな基準を導入してきた。
 従来、食品の暫定規制値でも、また公衆がうける被ばく限度=1ミリシーベルトでも、年を単位として規制する数値を出してきた。ところが今回、「生涯」という単位を持ち出した。これはどういうことなのか。
 この問題について問いただした。


◇年1ミリの規制限度の撤廃ねらう


 「評価(案)の言う生涯とは何年か?」。まずこの問いから始まった。
 ところが、食品安全に委員会の答えは、「何年とは決まっていない」。
 だとすれば、「生涯」などという曖昧な単位で、リスクを評価することなどできるはずがない。
 さらに、「生涯100ミリシーベルト」という基準について、次のような重大な問題があるという指摘がなされた。
 例えば、最初の1~2年で50ミリシーベルトを浴びてしまい、その後に、「生涯」で累積線量が100ミリシーベルトに収まったという場合だ。1~2年で50ミリシーベルトの被ばくというのは、深刻な健康被害が懸念される数値だ。しかし、「生涯100ミリ」基準では、基準以下で問題なしとなってしまう。
 この指摘にたいして、食品安全委員会の答えは、「生涯100ミリシーベルトであれば問題はない」という見解。
 つまり、「生涯100ミリ」という基準は、原発事故直後に多くの住民が高い被ばくを受け、現在も汚染地域に住まわされているという現状を追認するために、年1ミリシーベルトという現在の公衆の被ばく限度を取り払ってしまうということなのだ。そして、高い被ばくという現状に合わせた新基準で「安全・安心」を宣伝する狙いがあるのだ。
 重大な狙いが、交渉の中で明らかになった。


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(追及に立つ男性)


◇100ミリをしきい値に


 さらに、「評価(案)」は、「100ミリシーベルト未満については、現在の知見では健康影響の言及は困難」であるという言い方で、実際には、100ミリシーベルト以下の健康被害への影響がでないかのような扱いをしている。
 ところで、ICRPおよび日本政府が採用している放射線防護にかんする基本概念においても、「直線しきい値なし」モデルを採用している。「直線しきい値なし」モデルとは、「しきい値以下の被ばくでは健康に影響はない」とする見解を斥け、どんなに低線量の被ばくでも、被ばく線量とがん・白血病などの発生確率との間には比例関係があるという考え方。
 ところが、食品安全委員会は、「直線しきい値なし」モデルは「採用していない」と明言した。
 「生涯100ミリ」とは、放射線防護にかんする基本概念まで変更してしまう暴挙だ。そして、事実上、100ミリシーベルトを「しきい値」にしよういとしているのだ。




■コミュニティと家族の破壊


後半は、原子力災害対策本部、原子力安全委員会、文科省との交渉。


◇伊達市霊山からの訴え


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(伊達市霊山から参加した男性)

 特定避難勧奨地点に指定されている伊達市霊山からこの日の交渉に参加している男性が訴えた。
 特定避難勧奨地点とは、計画的避難区域や警戒区域の外で、原発事故後1年間の積算放射線量が20ミリシーベルトを超えると推定された地点。地域ではなく個別世帯を指定するのが特徴。伊達市や南相馬市などで指定が出ている。
 伊達市霊山の男性は、特定避難勧奨地点の指定によって、身近で起こっている問題を、静かな口調で、しかし厳しい思いを込めて話した。
 同じ敷地の中に、親の世帯と子の世帯が住んでいる家族がいる。その家族は、親の世帯が特定避難勧奨地点に指定され、子の世帯が指定されなかった。その指定の可否を分けたのは、たった0・1マイクロシーベルトの違い。その違いのために、親子が分断されるという事態になっている。
 さらに、このことを行政に問い合わせても、国と市の間でたらい回しにされ、誰も責任を取ろうとしない。
 男性は、世帯ごとの指定が、コミュニティーの破壊はおろか、家族をも破壊していると弾劾、区域ごとの指定にするように求めた。
 これにたいして、対策本部は、「実態を把握していない。持ち帰る検討する」と答えるだけだった。


◇福島市の大波・渡利


 さらに、福島市の大波地区、渡利地区の問題について問いただした。
 大波、渡利は、福島市の住宅地。6月下旬の市当局による計測で、3マイクロシーベルト/時を超える線量が出ている。
 地元紙の報道では、同地区を特定避難勧奨地点に指定する検討に入ったとあったが、結局、何も進んでいない。住民らが、繰り返し地元のでの説明会の開催を求めてきたが、未だ何も行われていない。 
 これについて、対策本部は、「検討中」とくり返すだけだった。
 住民の側からは、「いつまでも平行線をたどっている場合ではない。実質的な進展をしなければならない。住民は、線量の高いところにずっと放置され、被ばくし続けているのだ」と強い口調の弾劾がなされた。

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(官僚答弁をくり返しながら、終了時間を気にする原子力災害対策本部の官僚)




■高い検出限界の健康調査


 福島県が県民の健康管理調査を行っている。ところが、ホールボディーカウンターおよび尿検査の検出限界値が、13ベクレル、0・2ミリシーベルトと非常に高い。検出限界とは、物質の分析で、その物質を検出できる最小の量のこと。
 「チェルノブイリでは、尿中のセシウムが6ベクレル/L程度で、膀胱がんの前段の膀胱炎が過剰に生じている」と東大アイソトープ総合センター児玉教授が研究結果を発表している。これを見れば、13ベクレルという検出限界が高すぎることは明らか。.
 この問題について問いただした。
 これにたいする対策本部の答弁は、「ホールボディーカウンターおよび尿検査は、内部被ばくで1ミリシーベルト以上かどうかを見るもの。個人が何ミリシーベルトの被ばくを受けたのかを調査したものではない。検出限界以下であれば、『県民の安心のため』という調査の目的は果たせる」と述べた。
 つまり、県民健康管理調査の目的が、被ばくの実態を明らかにして、影響を最小限に抑えるというところにあるのではなく、被ばくの実態を隠蔽した上で、県民を「安心しなさい」と慰撫するところにあるということを、明け透けに語っているのだ。

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(会場からくり返し怒りの声があがった)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今回の対政府交渉を通して、食品の暫定規制値の改定、特定避難勧奨地点の指定や緊急時避難準備区域の解除などをめぐる、政府の側の大きな動きが見えてきた。 
 住民を放射能汚染地域に放置しながら、「安心しなさい」と強弁するような政府のやり方にたいし、追及を強めていかなければならない。




■49,775筆の署名提出


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(49,775筆の署名が山積み)

 対政府交渉に先立ち、「福島の子どもたちを守るための緊急署名」49,775筆が提出された。この署名は、放射線量が高い地域からの避難、県民の内部被ばく検査の実施、法令1ミリの遵守とそのための食品規制値の見直しを求めて、原子力災害対策本部長、福島県知事、文部科学大臣、厚生労働大臣宛てに出されたもの。


※6団体: 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーン・アクション、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
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  1. 2011/08/31(水) 15:13:37|
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