国も行政も除染を呼号する中で、避難を求める渡利地区の住民が、孤立させられてしまうかのように思われた。 ところが、この要望書には、渡利地区だけではなく、隣接する小倉寺地区や南光台地区の名前も並んだ。これは、渡利地区と同じように、高い空間線量なのに、避難ができないでいる小倉寺や南光台の地区からも、渡利地区の動きに同調したいという声があがり、それを反映したものだ。 また、福島市内の商店会からも、「渡利の子どもを守る会」に話が聞きたいという声がかかったという。 さらに、この日の集会では、除染などで先行する隣の大波地区や郡山市、南相馬市などからも、同じ思いの発言があった。 とくに、「大規模除染」が始まっている大波地区の住民から次のような事実が話された。 ① 地区内で行われた放射能問題の講演会の際、自治会の役員らが、講師にたいして、「避難のことを言ったら、講演を止める」という制動をかけるなど、避難について議論することを許さない雰囲気をつくっている。 ② 同地区の除染によって出る汚染土の仮置き場が、住民の反対の声をあげているにもかかわらず、市と自治会役員の間だけで、地区内の公園に決められた。 ③ 実際の除染は、計画よりも1カ月以上遅れており、しかも除染後も放射線量は下がっていない。 国や行政が呼号する除染が、住民主体を無視し、民主主義にもとるやり方で進められいることに、驚きと怒りの声が漏れた。